2001 年 62 巻 5 号 p. 1228-1231
患者は59歳,男性.人間ドックで便潜血陽性を指摘され,大腸内視鏡検査を施行した.右側結腸に多発する炎症性ポリープと,そのひとつの炎症性ポリープに早期大腸癌の合併を認め,右半結腸切除術を施行した.炎症性ポリープの原因としては,組織学的には明らかな所見が得られなかったが,臨床経過・内視鏡所見・ツ反陽性から腸結核が強く疑われた.盲腸癌は,形態的にみて炎症性ポリープの側壁を帯状に癌が存在していることから,炎症性ポリープに発生した大腸癌と考えられた.