日本臨床外科学会雑誌
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胃stromal tumorの5例
倉立 真志矢田 清吾岸田 基橋本 拓也宮内 隆行近石 寛広川 満良
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2001 年 62 巻 9 号 p. 2166-2171

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抄録

胃stromal tumor5例(狭義のGIST) を経験したので検討した.平均年齢66歳,男女比3:2, U領域: M領域:L領域は3:1:1, 大きさ0.5~30cm, 壁内1例,壁外4例. 5cm以上の3例が造影CTで不均一な増強,周囲への圧排と膨張性発育を示した.術前狭義のGIST確定診断症例はなく,胃癌合併を3例に認めた.治療は胃癌合併3例は胃全摘を,他の2例は胃部分切除を行った.病理組織化学的に5cm以上の3例が悪性を示した.免疫組織化学的に全例CD34, c-kitが陽性を示した.
GISTのうち,平滑筋や神経組織への分化を示さない狭義のGISTは,免疫組織化学的にCD34, c-kit陽性であり細胞起源はCajalの介在細胞由来で, c-kitomaとよべる.自験例は3例に胃癌を合併していたが,胃癌とGISTが同時発生した機序など今後症例を集積し検討する必要があると思われた.

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