日本臨床外科学会雑誌
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大網裂孔ヘルニアの1例
藤木 健弘橋本 幹稔堺 浩太郎倉持 均永川 祐二山田 勝博平川 栄二渕野 泰秀
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2002 年 63 巻 1 号 p. 207-209

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抄録
大網裂孔ヘルニアの1例を経験した.症例は13歳,男性で過食後より出現した心窩部痛のため入院した.腹部CT検査では胃上部腹側に拡張小腸が存在し,小腸造影では上部空腸の狭窄像を認めた.内ヘルニアによるイレウスと診断し開腹術を施行した.術中所見では胃結腸間膜の異常裂孔から嵌入した小腸が,短縮した網嚢を通り腹腔に脱出する大網裂孔ヘルニアを認めた.手術では腸切除の必要はなく,嵌入小腸を整復し異常裂孔を閉鎖した.本症例は適切な手術時期の決定により腸切除を回避しえたと考えられた.
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