日本臨床外科学会雑誌
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肝細胞癌切除13年後に根治切除術を行った胸部食道癌の1例
上野 正勝廣橋 一裕大杉 治司田中 宏高田 信康木下 博明
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2002 年 63 巻 2 号 p. 365-369

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抄録
肝細胞癌(以下HCC)に対する前区域切除術13年後に根治切除した食道癌の稀な異時性重複癌を報告する.症例は71歳,男性.1987年, HCCに対し肝右葉前区域切除を施行した.術後13年間順調に経過したが, 2000年7月上旬より嚥下困難が出現し,胸部中部食道左側に4cm, 2型の中分化型扁平上皮癌を認めた.術前血液検査で肝機能の軽度低下を認め, CEAが7.5ng/ml, HCV(+)であった. 2000年8月30日,慢性C型肝炎を合併していたため,開腹先行にて開胸開腹食道亜全摘術,胸部,腹部の2領域D2リンパ節郭清と後縦隔経路全胃管再建を行った.病理診断は中分化型扁平上皮癌, pStage IVa,総合的根治度pBで,術後経過は良好である.
HCCとの重複癌においてはHCCが予後規定因子となることが多いが, HCCが根治であれば第2癌に対しては,肝機能が許される範囲であれば重複癌に対して根治的な手術をすべきと考える.
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