日本臨床外科学会雑誌
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転移性小腸悪性黒色腫の1例
西條 文人土屋 誉生澤 史江内藤 剛本多 博小針 雅男山崎 匡
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2002 年 63 巻 2 号 p. 412-416

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抄録

腸重積を契機に発見された悪性黒色腫小腸転移症例を経験したので報告する.症例は76歳,女性. 1987年に頭皮悪性黒色腫と診断,治療された. 1998年全身皮下転移を認め,さらに1999年脳転移にて治療を受けていた. 1999年12月19日腹痛,嘔吐を主訴として来院し,腸重積の診断で緊急手術を施行した. Treitz靱帯より20cm肛門側空腸に管腔内に発育した直径3cmの腫瘤を認め,その腫瘤を先進部として70cmにわたり腸重積を呈していた.重積部分を含め小腸切除術を施行した.切除標本には,合計3個の腫瘤を認めた.病理組織診断は,免疫染色の結果, S-100蛋白陽性,HMB45陽性でmalignant melanoma (amelanotic type)と診断された.術後9カ月経過後,脳転移が増悪し,死亡した.

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