日本臨床外科学会雑誌
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十二指腸憩室穿孔の1例
中田 岳成小松 大介伊藤 勅子熊木 俊成青木 孝學春日 好雄
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2002 年 63 巻 9 号 p. 2183-2188

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抄録

症例は88歳,女性. 2001年6月腹痛を主訴に来院.右側腹部から右下腹部に圧痛,筋性防御を認めた.胸部・腹部単純X線写真ではfree airを認めなかったが,腹部造影CT検査にて右側後腹膜に広範な低吸収域を認めた.汎発性腹膜炎として開腹手術が行われた.十二指腸下行部外側に径3cm大の憩室とその穿孔を認め,憩室切除,縫合閉鎖およびドレナージが行われた.病理組織学的には切除された憩室は層構造が破壊され好中球浸潤とフィブリンの析出が著明であった.術後経過は良好であった.
十二指腸憩室は日常臨床上よく見られる疾患であるが外科的治療の対象となるものは稀である.興味深いCT所見を呈した十二指腸憩室穿孔の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.

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