症例は32歳の男性.腹痛,嘔吐,腹部膨満感を主訴として来院し,腹部X線検査でニボー像を認めたため腸閉塞の診断で入院となった.右下腹部に圧痛があり腹部超音波とCT検査所見で回腸末端炎と判断し,保存的治療を施行した.症状は一旦改善するも経口摂取再開にて症状の再燃を繰り返した.注腸造影と大腸内視鏡検査を施行し終末回腸に明らかな異常はみられなかったが,保存的治療によっても症状改善しないため開腹術を施行した.肉眼的には漿膜粘膜面から異常はみられず,漿膜下に径3~4mmの肉芽腫を複数個触知したためこの部分を含めて回盲部切除術を施行した.病理組織所見では,血管壁に好酸球を主体とした炎症細胞の浸潤とフィブリノイド壊死を伴う壊死性血管炎が認められ.アレルギー性肉芽腫性血管炎と診断された.腸管に限局する非定型的Churg-Strauss症候群の1症例と思われた.