日本臨床外科学会雑誌
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乳癌のテロメラーゼ活性と動注化学療法の組織学的,臨床的効果
江渕 正和丸山 道生長浜 雄志
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2003 年 64 巻 2 号 p. 292-296

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抄録
乳腺疾患のテロメラーゼ活性(TA)を測定し,癌の進行度との関係およびTAと化学療法の組織学的,臨床的効果について検討した.
乳腺疾患86例103病変を対象とし,術前抗癌剤持続動注療法施行17例では, Adriamycin, 5FUを2週間持続動注した. TAはTRAP法にて測定した.乳癌では92%,転移巣86%,線維腺腫50%,正常組織25%の陽性率であった.乳癌では臨床病期IおよびIIにはTA陰性(TA-)例があるが,病期がIIIA以上になると,すべての症例がTA陽性(TA+)となった.同様に,リンパ節転移の程度がn1β以上になると,すべての症例がTA+となった.
動注例17例では,動注前に比して動注後のTAが低下していた.動注前TA値と組織学的効果との間には,統計的有意差はなかったが,術前のTA高値例に組織学的効果の高い症例が出現した.一方,動注前TA値と臨床的退縮率には正の相関(p<0.05)が認められた. TA値が高い症例は化学療法の有効性が高いことが示唆された.
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