日本臨床外科学会雑誌
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スクリーニングマンモグラフィ併用乳癌検診にて発見された腫瘤非形成微細石灰化を呈する乳癌の検討
田口 和典秦 庸壮高橋 弘昌河合 朋昭前田 好章伊藤 東一高橋 将人太田 聡伊藤 智雄安達 武彦藤堂 省
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2003 年 64 巻 2 号 p. 297-304

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抄録

マンモグラフィ併用乳癌検診の普及に伴い非触知微細石灰化病変が多く見受けられるようになってきた.当科では1998年4月より2002年3月までの間に視触診,超音波にて腫瘤性病変を認めないカテゴリー3以上の腫瘤非形成微細石灰化病変45例に対して,早期診断を目的にステレオガイド下生検を行った. 17/45例(37.8%)が乳癌と診断され,カテゴリー分類別乳癌頻度は,カテゴリー3: 2/10例(20.0%),カテゴリー4: 9/29例(31.0%),カテゴリー5: 6/6例(100%)であった.非浸潤癌は5例(29.4%),残りの12例は微小浸潤癌であった.郭清を施行した14例にリンパ節転移を認めなかったが,微小浸潤癌の1例は術後1年11カ月で遠隔転移をきたした.腫瘤非形成微細石灰化を呈する乳癌では非浸潤癌の頻度が高いが,マンモグラフィ併用乳癌検診の対象年齢が下がれば非浸潤癌発見率のさらなる増加が期待される.

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