日本臨床外科学会雑誌
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後腹膜嚢胞の1例
阿部 曉人降籏 正佐久間 敦寺野 彰藤盛 孝博窪田 敬一
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2003 年 64 巻 2 号 p. 484-488

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抄録
症例は65歳,男性. 2001年10月下旬より右中下腹部に腫瘤を自覚した.その後,腫瘤増大傾向を認め,手術目的に入院した.右下腹部にかけて,小児頭大の弾性軟,非拍動性,非可動性の腫瘤を触知した.血液検査値は基準範囲内であった.腹部CTおよびMRIの画像所見では,右下腹部後腹膜腔に内部均一な径約12cm大の嚢胞性腫瘤を認めた.後腹膜嚢胞の診断で, 2002年2月7日開腹下に嚢胞摘出術を施行した.摘出標本の重量は約900g,周径は約37cmであった.嚢胞壁は厚く,内容液は淡黄色,漿液性であった.病理組織所見では嚢胞壁,内容液に悪性所見はなかった. Elastica Van Gieson染色で,静脈由来の後腹膜単胞性嚢胞と診断した.術後第13病日に軽快退院し,再発はみられていない.静脈由来の後腹膜嚢胞は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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