日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
痔瘻に対する一次口の閉鎖または切除の効果
大見 良裕山田 治樹城 俊明深野 雅彦
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 64 巻 4 号 p. 805-810

詳細
抄録
目的:痔瘻と肛門周囲膿瘍に一次口を閉鎖または切除する手術を行い,炎症の再燃に対する効果を検討した.
方法:手術の内容に同意を得た痔瘻67例に,脊椎麻酔下で一次口を単に縫合閉鎖する一次口閉鎖法あるいは,一次口を切除し,内肛門括約筋を貫く瘻管を縫合閉鎖する一次口切除法を行った.肛門周囲膿瘍11例には,一次口閉鎖法と膿瘍切開手術をあわせ行った.
結果:観察期間は8~60カ月で,平均観察期間は21カ月であった.再燃は痔瘻の一次口閉鎖法で39例中3例(7.7%)に,一次口切除法で28例中1例(3.6%)にみられた.肛門周囲膿瘍では11例中10例(91%)に再燃がみられた.
結論:膿瘍形成などの炎症の強い痔瘻には今回の手術法は無効であった.炎症の強くない低位の痔瘻には一次口閉鎖法が,高位の痔瘻には一次口切除法が有用と考えられた.
著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top