抄録
目的:痔瘻と肛門周囲膿瘍に一次口を閉鎖または切除する手術を行い,炎症の再燃に対する効果を検討した.
方法:手術の内容に同意を得た痔瘻67例に,脊椎麻酔下で一次口を単に縫合閉鎖する一次口閉鎖法あるいは,一次口を切除し,内肛門括約筋を貫く瘻管を縫合閉鎖する一次口切除法を行った.肛門周囲膿瘍11例には,一次口閉鎖法と膿瘍切開手術をあわせ行った.
結果:観察期間は8~60カ月で,平均観察期間は21カ月であった.再燃は痔瘻の一次口閉鎖法で39例中3例(7.7%)に,一次口切除法で28例中1例(3.6%)にみられた.肛門周囲膿瘍では11例中10例(91%)に再燃がみられた.
結論:膿瘍形成などの炎症の強い痔瘻には今回の手術法は無効であった.炎症の強くない低位の痔瘻には一次口閉鎖法が,高位の痔瘻には一次口切除法が有用と考えられた.