日本臨床外科学会雑誌
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S状結腸mp癌会陰部皮膚転移の1例
岡崎 幹生赤坂 尚三庄賀 一彦中島 正雄平井 隆二
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キーワード: 大腸癌, 皮膚転移, 会陰部
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2003 年 64 巻 5 号 p. 1189-1192

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抄録

症例は76歳,女性.平成7年から原発性胆汁性肝硬変を指摘されていた.平成11年8月5日,排便後に下血を認めたため受診.大腸内視鏡検査でS状結腸に4cm大の隆起性病変を認めた.生検では腺管絨毛腺腫, Group 3であった.平成11年9月30日, S状結腸切除術, D2郭清を施行した.病理組織検査は,高分化腺癌, mp, INF β, ly1, v0, n(-), stage Iであった.平成12年1月頃から肛門縁10時方向に2 cm大の易出血性の腫瘤を認めた.生検では腺癌が疑われ,平成12年3月6日手術を施行した.腫瘍から5 mmのsurgical marginをとり局所切除した.内・外肛門括約筋への直接浸潤は認めなかった.病理組織学的にはS状結腸癌の転移と診断された.内臓癌の皮膚転移は比較的稀である.皮膚転移癌の原発癌としては胃癌,乳癌,肺癌が多いが,今回S状結腸mp癌会陰部皮膚転移という興味ある症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

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