日本臨床外科学会雑誌
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二次性上皮小体機能亢進症に対する手術経験
岡崎 幹生赤坂 尚三庄賀 一彦中島 正雄平井 隆二
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2003 年 64 巻 8 号 p. 1823-1826

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抄録

当院で経験した二次性上皮小体機能亢進症に対する上皮小体全摘出後自家移植術9例について検討した.術式は上皮小体全摘後,肉眼上最も正常に近い上皮小体を用いて移植片を作製し,腕橈骨筋内に移植した.切除上皮小体数は平均3.9腺で,過剰上皮小体や異所性上皮小体も認めた.病理組織診断はadenomaの1腺を除くといずれもhyperplasiaであった.血清intact-PTH値は術前の平均値730.6pg/mlから術後11.5pg/mlに低下していた.血清Ca値も全ての症例で術後に低下した.遺残上皮小体症例を1例,移植上皮小体の再腫大による手術症例を1例認めた.血清intact-PTH値はいずれの症例でも速やかに低下し,コントロール困難な機能低下症に陥る症例もなく,良好な成績が得られている.また再発に対する局所麻酔下での腫大上皮小体の摘出も有用であり,上皮小体全摘出後自家移植術は優れた治療法と考えられた.

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