日本臨床外科学会雑誌
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経過観察中に浸潤癌となった分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMT)の3例
工藤 大介小針 雅男土屋 誉伊藤 啓小林 剛
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2004 年 65 巻 10 号 p. 2764-2769

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抄録

浸潤癌に進展したため手術適応となった分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMT)の3例を経験したので報告する.症例1, 2, 3は分枝型IPMTの診断で6カ月ごとの経過観察を行っていた.初診から各々約4年, 1.5年, 15年後に画像上,症例1, 2では総胆管に浸潤する腫瘤像を,症例3では膵体部に腫瘤像を認め,各々膵頭十二指腸切除術,膵全摘術,膵全摘残胃全摘術を施行した. 3例とも病理組織学的には, IPMT由来の浸潤癌であった. IPMTにおいても本症例のように浸潤型に進展する症例が存在する.経過観察時は,膵全体および隣接臓器をよりいっそう注意深く観察する必要があると思われた.

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