症例は56歳の女性. 2002年12月に左乳腺腫瘤に気づき急激に増大したため受診.左EAB領域に6×6 cmの分葉状で境界明瞭な固い腫瘤を触知した.マンモグラフィでは分葉状で一部境界不明瞭,内下部に粗大で不整形な石灰化を伴う高濃度腫瘤を認めた.超音波検査では内部に無エコーやacoustic shadowを伴う高輝度エコーが混在する不整形腫瘤が存在し腫瘤に接して境界明瞭な円形小腫瘤を認めた.吸引細胞診では悪性を疑い,術中迅速病理診断で軟骨化生を伴う化生癌とされ乳腺全摘術とリンパ節郭清を施行した.病理診断は乳腺原発性骨肉腫で辺縁に線維腺腫を伴っていた.術後1年経過するが現在も再発所見はみられず,極めて稀な原発性乳腺骨肉腫の1例を経験したので報告する.