日本臨床外科学会雑誌
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膵胆道合流異常症に発生した胆嚢未分化癌の1例
中藤 嘉人須藤 隆一郎中安 清倉田 悟江里 健輔亀井 敏昭
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2004 年 65 巻 3 号 p. 766-770

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抄録

症例は66歳,女性.心窩部痛を主訴に近医受診.超音波所見および白血球増多から急性胆嚢炎の診断で当院外科紹介となった.受診までの約6カ月間で10kgの体重減少を認めていた.その他生活歴・既往歴に特記すべきことなし.入院時右季肋部に圧痛を認めた.血液生化学検査では,白血球数, CRP,肝胆道系酵素の上昇を認めたが,腫瘍マーカー(CEA, CA19-9, DUPAN-2)の上昇は認められなかった.腹部超音波検査, CT検査にて胆嚢内に不均一に造影される腫瘤と肝十二指腸間膜内に著明に腫大したリンパ節を認めた. ERCPでは総胆管の拡張を伴う合流異常を認めた.リンパ節転移を伴う胆嚢癌の臨床診断にて,肝床切除を伴う胆嚢摘出術,膵頭十二指腸切除術を施行した(TNMstage III).病理組織学的検査では大細胞型の胆嚢未分化癌であった.

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