日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
新しいスリット付き痔核鉗子による内外痔核結紮術
星 加奈子大見 良裕稲葉 宏長谷川 信吾大見 琢磨城 俊明深野 雅彦
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 65 巻 5 号 p. 1177-1181

詳細
抄録

【目的】近年痔核の手術は肛門機能を温存する方向に変化している.今回われわれは新たに考案したスリット付き痔核鉗子を使用することによって,簡便で,肛門管上皮を温存でき,ほとんどの大きさの内外痔核を確実に結紮し,かつ術後出血の少ない内外痔核結紮法を考案したので報告する.
【方法】Goligher分類II度~IV度の内外痔核226例に対し行った.腫大した内外痔核をスリット付き痔核鉗子で把持し,痔核の基部を2号絹糸で2回結紮した後,鉗子のスリット部に3-0バイクリル糸を刺入し2回刺通結紮を行った.
【結果】結紮した痔核および結紮糸は術後1~2週間で脱落した.術後の疼痛は従来のLE法と比較し軽い傾向がみられた.術後合併症は後出血が2例(0.9%),追加手術は1例であった.
【結論】新たに考案したスリット付き痔核鉗子は内外痔核結紮術に有用で,簡便かつ確実に内外痔核が処理できることが示された.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top