日本臨床外科学会雑誌
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術後早期に播種性骨髄癌症をきたしたS状結腸印環細胞癌の1例
牧野 知紀三嶋 秀行池永 雅一辻仲 利政竹田 雅司真能 正幸
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キーワード: 印環細胞癌, S状結腸癌
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2005 年 66 巻 1 号 p. 124-128

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抄録
症例は55歳,女性.既往歴に12年前左乳癌に対してAuchincloss手術を施行された(T2N0M0 Stage II).今回,下血を主訴に受診し,大腸内視鏡検査にてS状結腸に1型病変を認め,生検で印環細胞癌と診断された. S状結腸癌の診断にてS状結腸切除術, 2群リンパ節郭清を施行した.術後経過は良好で術後15日目に退院した.病理診断は印環細胞癌, ss, n2, stage IIIbであった.術後約2カ月で腰背部痛出現し,腫瘍マーカー(CEA, CA19-9)の急上昇を認め,骨シンチグラフィーにて胸骨,胸・腰椎などに多発性の異常集積像を認めた.その後急速に血小板が減少し, DICとなり術後86日目(DIC発症後21日目)で死亡した.急速な経過をたどった大腸癌播種性骨髄癌症の1症例を経験したので文献的考察と併せて報告する.
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