日本臨床外科学会雑誌
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腹腔鏡下大網被覆術後2期的に根治術を施行した胃癌穿孔の1例
福田 直人和田 浄史高橋 茂雄高橋 克之三浦 康成
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2005 年 66 巻 10 号 p. 2431-2435

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抄録

汎発性腹膜炎に対する腹腔鏡下大網被覆術+腹腔ドレナージ術後に,2期的根治術を施行しえた胃癌穿孔の1例を経験した.症例は49歳,女性で腹部疼痛を主訴に当院に緊急入院となった.消化性潰瘍穿孔による汎発性腹膜炎の術前診断で,腹腔鏡下大網被覆術+腹腔ドレナージ術が汎発性腹膜炎の治療としてまず行われた.しかし術後6日目の胃内視鏡検査にて進行胃癌と確定診断されたため, 19日目にリンパ節郭清を伴う胃癌根治手術を附加した.汎発性腹膜炎に対する腹腔鏡手術は低侵襲で術後の回復も早いため,まず腹腔鏡で腹膜炎の治療を行った後, 2期的に胃癌根治術を行う方法は胃癌穿孔に対する治療法として有効であると考えられた.

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