日本臨床外科学会雑誌
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筋緊張性ジストロフィーを合併した食道腺癌の1手術例
奥田 勝裕佐野 正明成田 洋柴田 直史加藤 克己宇佐見 詞津夫
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2005 年 66 巻 2 号 p. 360-363

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抄録

症例は50歳,男性.既往歴として25歳時に筋緊張性ジストロフィーと診断された.健康診断にて胸部下部食道に多発びらんを指摘された.生検の結果腺癌と診断され,手術目的に当院紹介となった.食道亜全摘胃管再建術を施行した.術後去痰困難があり,ミニ気管切開チューブを挿入,さらに非侵襲的陽圧換気 (noninvasive positive pressure ventilation: NIPPV) を施行し,排痰を促した.術後嚥下リハビリなど必要であったが,術後61日目に軽快退院となった.筋緊張性ジストロフィーは稀な遺伝性変性疾患であり,本症の周術期には呼吸機能障害など様々な合併症が発症する可能性があるため,周術期管理が非常に重要である.

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