日本臨床外科学会雑誌
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食道裂孔ヘルニアを合併したMorgagni孔ヘルニアの1例
吉田 禎宏鳥羽 昭三斉藤 恒雄今冨 亨亮福山 充俊黒田 武志
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2005 年 66 巻 3 号 p. 605-609

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抄録

Morgagni孔ヘルニアは横隔膜ヘルニアの中で稀な疾患で,食道裂孔ヘルニア合併例は13例しか報告されていない.今回食道裂孔ヘルニアを合併した1例を経験したので報告する.
症例は75歳女性.右胸腹部痛,呼吸困難が出現し,近医を受診した.胸部X線写真にて右下肺野に異常陰影があり,当院に紹介された. CT検査,胃内視鏡検査などにて横行結腸・大網を内容とするMorgagni孔ヘルニア,滑脱型食道裂孔ヘルニア,逆流性食道炎と診断した.開腹手術を施行した.手術時, Morgagni孔ヘルニア内容は大網のみであった.大網を腹腔内に還納し,ヘルニア嚢を腹腔内に反転して切除した.ヘルニア門は径3cm大で,直接縫合閉鎖した.食道裂孔ヘルニアに対しては食道裂孔を縫縮し, Modified Nissen型噴門形成を行った.術後経過は良好で術後14日目に退院した.

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