日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
von Recklinghausen病に合併した,小腸malignant schwannomaの1例
細野 芳樹種村 廣巳大下 裕夫菅野 昭宏日下部 光彦波頭 経明
著者情報
キーワード: von Recklinghausen病, 小腸
ジャーナル フリー

2005 年 66 巻 5 号 p. 1072-1075

詳細
抄録

von Recklinghausen病は全身の皮膚にcafe-au-lait spotと腫瘤が多発する常染色体優性遺伝の多発性末梢神経線維腫で,種々の腫瘍の合併例が報告されている.今回,高度の貧血と腹部腫瘤で受診したvon Recklinghausen病に合併する小腸malignant schwannomaを経験したので報告する.症例74歳,男性.動悸と労作時呼吸困難を自覚,近医を受診し,貧血と腹部腫瘤を指摘され当科に入院した.全身の皮膚にcafe-au-lait spotと腫瘤が多発しており下腹部に可動性を有する腫瘤を触知した.血液検査で貧血と可溶性IL2レセプターの上昇を認め,便潜血反応が陽性だった.腹部CTと小腸造影検査より小腸原発で壁外に発育した腫瘍と考えられた. von Recklinghausen病に合併した小腸腫瘍と診断し,腫瘍を含め140cmの小腸部分切除術を行った.免疫組織染色はS-100蛋白, NSEが陽性, SMAが陰性でありmalignant schwannomaであると診断した.

著者関連情報
© 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top