2005 年 66 巻 6 号 p. 1389-1393
症例は40歳,女性.主訴は腹痛.既往歴として2年前に切除不能乳癌,肝,肺,骨転移と診断 (T4c, N2, M1. stage IV) され化学療法を開始.組織型は浸潤性乳管癌, ER (-), PgR (-) であった.今回平成17年1月イレウス症状で入院,イレウス管挿入も解除されず,大腸造影検査にて横行結腸浸潤の診断で開腹手術を施行.手術所見では横行結腸の完全狭窄を認め,小腸,下行結腸バイパス術を施行した.術後経過良好にて21日目退院.術後2カ月,現在外来通院中である.