日本臨床外科学会雑誌
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結腸に原発した腺癌とカルチノイドのcomposite腫瘍の1例
太田 竜古賀 浩木田中 聡也北原 賢二黒木 信善
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2006 年 67 巻 12 号 p. 2880-2885

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抄録

症例は90歳,女性. 2004年3月腸閉塞を生じ当科受診.下部消化管内視鏡検査を行ったところ上行結腸に全周性の隆起病変が存在した.大腸透視検査にて上行結腸に5cmの全周性狭窄像を認めた.生検にて中分化腺癌であり上行結腸癌の診断にて結腸右半切除術,第2群リンパ節郭清を行った.肉眼的に腫瘍は単一で潰瘍限局型を呈していた.病理組織診にてrosette形成を伴う充実性または小腺管構造を呈するカルチノイドが腺癌と混在する極めて稀な組織型であった.免疫組織染色にて癌部ではCEA, CA19-9, p53が陽性であり,カルチノイド部ではsynaptophysin, p53が陽性, chromogranin A, gastrinは陰性だった.結腸に発生したカルチノイドと腺癌のcomposite腫瘍は極めて稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.

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