日本臨床外科学会雑誌
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ホジキン病の放射線治療後に乳癌を発症した1例
岡川 武日児内田 達男
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キーワード: 乳癌, 放射線照射, 二次癌
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2006 年 67 巻 8 号 p. 1750-1753

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抄録

ホジキン病に対し放射線治療を受け,二次癌として乳癌が発生したと思われる症例を経験したので報告する.
症例は35歳の女性で, 20歳の時にホジキン病のためマントル照射を受けた.ホジキン病は治癒したが,平成12年に右乳房内側B領域の腫瘤に気付き,近医を受診後当院を紹介された.腫瘤は径0.8cmの大きさでエコー上境界はやや不明瞭であった.細胞診はクラスVであったが念のため術中病理検索で乳頭腺管癌であることを確認した後乳房温存手術を施行した.腋窩リンパ節に転移はなく,術後5年経過したが,再発を認めていない. 30歳以下で放射線照射を乳房近傍に受けると照射10年以後に乳癌を発症する可能性があるため,二次癌を考慮に入れた,定期的な検診が必要である.

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