日本臨床外科学会雑誌
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肺原発転移性膵腫瘍切除後8年生存中の1例
位田 歳晴吉田 正史内藤 恵一飯塚 恒
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2006 年 67 巻 8 号 p. 1894-1897

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抄録

症例は70歳,男性. 1994年11月左肺癌にて左肺全摘術を施行した.病理診断は中分化型扁平上皮癌であった.その後1997年11月,超音波検査で膵体部に腫瘤を発見,内視鏡的膵胆管造影,腹部CT検査,腹部血管造影検査などにて膵癌と診断した.肺癌の他の部位への再発所見はなかったので, 12月門脈合併,膵全摘術を施行した.術後病理診断では肺の扁平上皮癌の膵臓転移であった.肺癌の膵転移は稀ではないが切除例は少ない.本邦報告例は自験例を含め13例であり,本症例は転移巣切除後8年以上の無再発長期生存がえられている.

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