日本臨床外科学会雑誌
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小児上腹壁ヘルニア27例の臨床的検討
中溝 博隆大塩 猛人石橋 広樹高野 周一
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2006 年 67 巻 9 号 p. 2006-2011

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抄録

1986年から2005年までに経験した小児上腹壁ヘルニア27例をretrospectiveに検討した.全腹壁ヘルニアの1.1%を占め,男女比は男児11例,女児16例であった.手術時年齢は2カ月から10歳9カ月であった.新生児期までに12例が発症し, 1歳までに21例が発症していた.ヘルニア門の数は1カ所が26例であり,多発症例(2カ所)が1例であり,増大傾向を5件に,自発痛,圧痛を1件に認めた. 19例に合併奇形・基礎疾患を認め,気管支喘息が6例と最多であった.ヘルニア門は平均9.0±7.6mmで,脱出臓器は腹膜前脂肪織が7件で,大網,小腸が2件ずつであった.術後再発は1例に認めた.小児上腹壁ヘルニアは成人より稀であるといわれているが,発生頻度に差はなく,男性に多いとされているが,女児に多くみられた.乳児期までに大半が発症しており,先天性疾患の可能性が高い.

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