臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
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臨床研究
造血器腫瘍患者における感染予防(II)
—結核症の合併とisoniazidの予防投与について—
森内 幸美上平 憲佐藤 智子柳迫 隆夫宮崎 泰司村田 健長井 一浩徳永 清治前田 隆浩跡上 直塚崎 邦浩河野 友子糸山 貴浩笹川 一平早田 央中村 秀男鳥谷 和洋野中 博章重橋 亨樅田 三郎尼崎 辰彦松尾 辰樹吉田 善春山田 恭暉栗山 一孝池田 柊一貞森 直樹朝長 万左男
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1991 年 32 巻 3 号 p. 199-204

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抄録
1970∼1989年の20年間に長崎大学原研内科に入院した造血器腫瘍患者全例(1,760例)についてisoniazid (INH)予防投与の有無と結核症合併の有無をretrospectiveに検索した。結核症合併例は18例(1.0%)で,そのうち入院治療後の発症例は10例(0.6%)であった。INH予防投与施行例の増加に伴い,粟粒結核例や死亡例などの重症例はみられなくなった。INH予防投与施行例中結核症合併例は1例(0.1%)のみで,INH予防投与非施行例(9例,0.9%)と比べ有意に少なかった(p<0.05)。INHの投与量は,0.3 g/日以上であることが望ましいと考えられた。
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© 1991 一般社団法人 日本血液学会
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