臨床血液
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症例
T細胞受容体,免疫グロブリン遺伝子の再構成を認めた悪性組織球症
水口 隆高野 尚之滝下 誠小阪 昌明
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1992 年 33 巻 12 号 p. 1839-1844

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抄録

T細胞受容体,および免疫グロブリン遺伝子の再構成を認めた悪性組織球症の1例を報告する。症例は69歳,女性。2週間にわたる各種抗生物質,ステロイド剤の投与に抵抗性の発熱があり入院した。入院時の検査成績では肝機能障害とDICが認められた。骨髄では各種血球を貪食した単球様大型異型細胞が認められた。この細胞は非特異的エステラーゼ陽性だがペルオキシダーゼ,PASは陰性。免疫組織化学ではα1-アンチトリプシン,α1-アンチキモトリプシン,リゾチーム,LeuM 1が一部陽性,Ber-H2, S-100蛋白,UCHL-1, MT-1, MB-1は陰性であった。しかし,骨髄単核細胞のDNA解析ではT細胞受容体β鎖,免疫グロブリン重鎖,κ鎖遺伝子の再構成が認められ,二重遺伝子型を示した。

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© 1992 一般社団法人 日本血液学会
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