臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
Print ISSN : 0485-1439
ISSN-L : 0485-1439
症例
同時期に発症したM蛋白血症を伴うMyelodysplastic syndrome (MDS)の同胞内発症例
—本邦第1例—
厚井 文一吉田 光雄前田 剛森 由弘藤原 靖子松村 正吉永 浩明
著者情報
ジャーナル 認証あり

1992 年 33 巻 2 号 p. 179-183

詳細
抄録
Myelodysplastic syndrome (MDS)においてmonoclonal gammopathy(M蛋白血症)やB cell malignancyが合併する報告は諸外国では体系的な報告がなされているものの,わが国ではきわめて少ない。われわれはM蛋白血症を有する同胞内発症,しかもほぼ同時期発症例を経験した。73歳の兄はMDS (RAEB)で,IgAλ型のM蛋白血症があり,骨髄中形質細胞は2.8%であった。70歳の妹はMDS (RAEB in T)で,IgGは1,901 mg/dlと増加し,IgGκ型のM蛋白血症があり,異型性を有する形質細胞が12.8%認められた。いずれも骨病変は無く,兄例はmonoclonal gammopathy with undetermined significance (MGUS), 一方妹例はsmoldering myelomaとの合併と考えられた。いずれも輸血のみで経過観察したがAMLや形質細胞の増加はみられなかった。本症例は,MDSは顆粒球系およびT, Bリンパ球の両方へ分化し得る未分化な多能性幹細胞の異常であるとする報告を,臨床血液学的に示唆するものと考えられる。
著者関連情報
© 1992 一般社団法人 日本血液学会
前の記事 次の記事
feedback
Top