臨床血液
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臨床研究
慢性骨髄性白血病における腎電解質異常
菅野 陽子佐久山 雅文新津 秀孝伊藤 俊広李 宗泰大谷 浩中本 安三浦 亮秋浜 哲雄山口 昭彦西村 茂樹高橋 徹三浦 荘治稲葉 龍太郎新藤 徹郎
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1992 年 33 巻 9 号 p. 1128-1135

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抄録

秋田県を中心として,ここ20年間に診断された慢性骨髄性白血病91例の腎電解質異常を検討した。診断時,腎機能・電解質の検査を行なっている症例は,CP=chronic phase 65人,AP=accelerated phase 5人,BC=blastic crisis 2人であるが,低Ca血症12.9%, 高P血症10.4%を認め,高P血症をきたした症例と腎障害が存在する症例では,生存期間が有意に短かった。初回治療後は,著しい変化はなかった。また急性転化時の電解質異常は,低Na, 低K, 高K, 低Ca, 低P, 高P血症の傾向があり,最終入院時では各々50%以上を占め,腎障害も50%に認められた。剖検腎組織所見では,急性尿細管不全または壊死,急性高Ca腎症および高度の腎実質浸潤を認めた症例で,生前の腎障害が存在していた。

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© 1992 一般社団法人 日本血液学会
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