臨床血液
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臨床研究
低形成性MDSの検討
佐藤 祐二三橋 彰一大谷 浩司鴨下 昌晴長谷川 雄一二宮 治彦長沢 俊郎阿部 帥
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1993 年 34 巻 11 号 p. 1431-1437

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抄録

低形成性MDSを再不貧と鑑別するために,PIDT1/2が120分以上を呈したMDS症例8例,再不貧症例39例について骨髄の造血細胞形態異常を観察した。形態異常の判定は赤芽球系,顆粒球系は500細胞,巨核球は20細胞を観察し,形態異常を示す細胞系列が1系統であれば1.0%以上,2系統以上であれば0.6%以上の頻度を占める場合を形態異常陽性と判定した。再不貧では39例中26例になんらかの形態異常が認められた。MDS症例と再不貧症例とを対比検討すると,3系統の異常,赤芽球と巨核球,顆粒球と巨核球の2系統の異常,顆粒球あるいは巨核球の1系統の異常は主にMDS症例にみられた。赤芽球系単独の異常,特に核の分葉はMDS診断上の価値は低いものと思われた。これらの成績は低形成性MDSと再不貧の鑑別上価値ある所見と考えられた。

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© 1993 一般社団法人 日本血液学会
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