1993 年 34 巻 6 号 p. 697-704
1981年から1990年の間に当科を受診した,65歳未満の初回治療非ホジキンリンパ腫のうち,VEPA療法あるいはACOMEP-BD療法を行った66症例について臨床的検討を行った。年齢は22∼64歳(中央値47.5歳),男性43例,女性23例。臨床病期はI期1例,II期6例,III期27例,IV期32例で,VEPA療法は27例にACOMEP-BD療法は39例に行った。予後因子としてACOMEP-BD療法ではPSおよびLDH値,VEPA療法ではPSおよび骨髄浸潤が重要であった。ACOMEP-BD療法およびVEPA療法における寛解率,再発率,寛解期間,無再発生存率(3年),生存率(4年)はそれぞれ54%, 29%, 2∼34カ月(中央値22カ月),71%, 62%および48%, 77%, 2∼74カ月(中央値16カ月),38%, 26%であった。寛解導入療法として行ったACOMP-BD療法,VEPA療法のreceived dose intensityはそれぞれ0.85, 0.41で,強力な治療法によって再発率は有意に減少したが現在まで生存率に統計学的有意差はみられなかった。