臨床血液
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臨床研究
自己造血幹細胞移植におけるエトポシド大量投与の試み
谷口 修一山崎 和夫大野 裕樹萩本 直樹樋口 和行加藤 雅人浅山 良吉田北 淳兵働 貞夫原田 実根仁保 喜之
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1993 年 34 巻 7 号 p. 809-814

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抄録

第1再発以降の造血器悪性腫瘍8例(悪性リンパ腫6例,急性骨髄性白血病2例)および進行期の各種固形腫瘍9例に対し,大量エトポシドを含む移植前治療を行った後,自己造血幹細胞移植を行った。治療効果は,造血器悪性腫瘍群では3例の寛解期移植例は全例無治療で寛解を持続しているが,多剤耐性期群では評価可能4例中1例のみで寛解持続中である。悪性固形腫瘍群では腫瘍縮小効果は劇的であったが9例中2例が寛解持続中であるほかは,全体としては寛解持続期間が短い結果となった。VP 16の用量斬増による影響を検討したところ,用量制限毒性は口内炎であった。臨床効果に対する用量斬増の効果は明らかとならなかった。口内炎に対する評価から,安全投与量は45 mg/kg/72 hr持続投与,可能投与量は60 mg/kg/72 hr持続投与と考えられた。

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© 1993 一般社団法人 日本血液学会
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