1993 年 34 巻 7 号 p. 853-858
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の2例に頻回の血漿交換を行った。症例1(57歳,女)にはTTPと診断してから11日間で6回,症例2(70歳,女)には診断から13日間で8回の血漿交換を施行した。その結果,一時期意識レベルの改善,血小板数の増加,治療前高値であったLDHの低下などを認めた。しかし血漿交換を休止したところ再び血小板減少と急速なLDHの上昇をきたし血漿交換の再開にもかかわらず出血性ショックのため死亡した。このような難治性のTTPに対しては,一定の基準に達するまでさらに頻回に血漿交換を行うことが重要と考えられた。