臨床血液
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症例
難治性血小板減少症を呈し,Dapsone®が有効であった,サルコイドーシス合併が疑われた男性SLEの1例
朴 英薫砂本 正明三好 毅志小中 義照
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1993 年 34 巻 7 号 p. 870-875

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抄録

症例は57歳男性,1990年12月,めまい,霧視出現,近医で“眼の炎症”といわれた。この時,血小板数2.2万/μl, 1991年1月,大量の鼻出血があり,本院を紹介され入院,前胸部に紫斑認め,血液検査で血小板数0.1万/μlと著減,またPAIgG 4,025 ng/107 cellsと著増,さらに抗核抗体,I.C. ともに高く,LEテスト陽性,CH50, C3, C4は各低値であった。さらに肺門リンパ節腫脹,前房の炎症,PPD皮内反応陰性,血中リゾチーム高値を認めた。以上よりSLE, sarcoidosisが関与するautoimmune thrombocytopeniaと診断,PSL, m-PSL, plasma exchange, γ-globulin大量療法,CPA, AZP, VCR, colchicine, cyclosporin-A, mizoribine, danazol, ascorbic acid, IFNα 2bを試みたがPAIgGは一時200 ng/107 cellsまで下がったが血小板数は増加しなかった。その後Dapsone®の投与を試みたが不完全であった。しかし血小板数の増加がみられたので1992年1月9日より75 mg/日の服用を確実にしたところ,同23日2.7万/μl, 2月20日4.5万/μl, 3月5日6.2万/μlと血小板数は増加し,中止後も4∼5万/μlを現在維持している。

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© 1993 一般社団法人 日本血液学会
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