抄録
小児T細胞性腫瘍に対するL-asparaginase頻回投与を含む治療プロトコール8704Tの治療成績を報告した。対象は,T細胞性白血病(T-ALL) 15例(pre-T型2例を含む)とリンパ腫(T-NHL) 11例で,年齢は,3歳∼14歳(中央値6歳)。T-ALLの初診時白血球数は,6,800∼1,210,000/μl(中央値45,000/μl)で,T-NHLの病期は,III期6例,IV期5例で,組織型はリンパ芽球(LB)型8例,大細胞(LC)型3例であった。治療は2年間で,観察期間は14∼78カ月(中央値42カ月)であった。23例が寛解し,6例に初回寛解で骨髄または末梢血幹細胞移植した。17例でプロトコール遂行し,うち14例が初回寛解生存中で,1例が麻疹肺炎で死亡し,2例が再発した。5年無病生存率は,ALL 76.1%, NHL 65.5%と差はなかった。NHLの組織型別ではLB型の87.5%に対し,LC型は33.3%と予後不良であった(P=0.19)。ALLでは,CD2, 5, 7陽性例の88.7%に対し,CD7のみ陽性pre-T型の2例は寛解導入不能または再発し,有意に予後不良であった(P=0.0001)。本治療法によりLB型T細胞性腫瘍の予後改善が期待できた。