臨床血液
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臨床研究
自己免疫性溶血性貧血におけるT細胞サブセットの検討
岩瀬 理青木 功栗山 謙内田 淑子相沢 信中野 優外山 圭助
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1995 年 36 巻 1 号 p. 1-5

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抄録
自己免疫性溶血性貧血(AIHA)における免疫調節性T細胞(IRT)などの病態への関与を知るため,AIHA患者15名の末梢血T細胞subsetを二重染色法を用いて解析した。その結果,活動期,寛解期を問わずAIHA患者ではCD4+細胞が減少しており,subsetとしてはCD4+CD45RA+細胞(naive T-cell)が減少していた。なおCD4+細胞中に占めるCD45RA+細胞の比率は活動期に低下していたが,寛解期には正常化した。また活動期患者ではCD8++細胞の増加を認め,subsetではCD8++S6F1+細胞(activated cytotoxic T lymphocyte; aCTL)が増加していた。しかし寛解期には両者共正常値を示した。以上よりAIHAの病態形成にはIRTの一つと思われるCD4+CD45RA+細胞の病的変動とさらにはaCTLの関与していることが示唆された。
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© 1995 一般社団法人 日本血液学会
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