臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
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臨床研究
非血縁者同種骨髄移植における慢性GVHD
—血縁者間同種骨髄移植との比較—
高見 昭良中尾 真二上田 幹夫高松 秀行杉森 尚美山崎 宏人三浦 裕次伊藤 高明山口 正木仁木 健雄大竹 茂樹塩原 信太郎市原 強小泉 晶一松田 保
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1995 年 36 巻 1 号 p. 6-11

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抄録
1992年1月から1993年12月までに行った非血縁者同種骨髄移植(BMT)例のうち100日以上生存した6例について慢性GVHDの頻度と臨床的特徴を検討し,HLA一致血縁者間BMT例34例と比較した。慢性GVHDはそれぞれ5例(83%), 14例(41%)にみられた。そのうち移植後70日以内の早期発症例は非血縁者間BMT例では4例(80%)と血縁者間BMTの7%に比べて有意に多かった。病変を示す臓器の数も非血縁者間BMTでは多い傾向がみられた。移植後にHLA-DRB1遺伝子型を決定したところ2例で1座不一致が認められた。これらの所見から,非血縁者間BMT例では慢性GVHDを予防するために,(1)移植後免疫抑制強化,(2)スクリーニングテストの早期施行,(3) HLA-DRB1によるドナーの選択などが重要と考えられた。
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© 1995 一般社団法人 日本血液学会
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