1995 年 36 巻 8 号 p. 762-767
症例は50歳,女性。急性前骨髄球性白血病にて昭和63年8月4日に受診した。寛解導入はdaunomycin連日BH-AC·DMP療法が行われ,完全寛解となり,地固め療法としてBH-AC·DM療法が2クール行われた。強化療法はBH-AC·DM療法1回と中等量ara-C/mitoxantrone療法5回が年2回の割合で行われ,平成4年3月を最後に終了した。平成5年9月に再発し,ATRAにて寛解となった。平成6年5月に2度目の再発を起こし,G-CSF併用中等量ara-C/mitoxantrone療法にて寛解となったが,同年9月に3度目の再発となった。同意を得てG-CSF (300 μg/body, day 1-7)でdormantな芽球を細胞回転に導入するよう試み,cyclosporin-A (8 mg/kg, day 2-5)で薬剤耐性克服を試み,daunomycin (45 mg/m2, day 3-5)とara-C (1.4 g/m2×2, day 3-7)による治療を行った。骨髄抑制が強く,寛解を認めるのに治療終了後46日かかった。cyclosporin-Aによる副作用は特に認めず,再発および難治性白血病患者には有効と思われた。