臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
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症例
薬剤性骨髄異形成症候群が考えられた2例
高橋 敦名越 温古山川 珠美福村 玲子松岡 利恵野村 眞智子高橋 重明磯部 穂積井手 潔斎藤 宣彦
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ジャーナル 認証あり

1996 年 37 巻 1 号 p. 53-59

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抄録
骨髄異形成症候群(MDS)には一次性と,放射線や薬剤の影響により発症する二次性MDSがある。われわれはcyclophosphamide (CPM)またはrifampicin (RFP)によって惹起されたと考えられる二次性MDS (RA) 2症例を経験したので,1988年から1993年に,当科に受診した一次性MDS 14例と染色体分析,病態,予後について比較検討した。二次性は2例とも一年以内にRAEBで死亡したが,一次性MDSは2例が白血化した。死亡までの期間は一次性の中央値と近似していた。二次性MDSは2例とも-5/5q-, -7/7q-を含む様々な核型異常を呈していたのに対して,一次性MDSは9症例に認めた。今回の検討では,一次性と二次性のMDSでの病態,染色体分析において有意な差は見られなかった。
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© 1996 一般社団法人 日本血液学会
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