1996 年 37 巻 4 号 p. 275-279
Waldenström's macroglobulinemia(以下WM)と考えられる患者において免疫グロブリンH鎖(以下Ig (H))遺伝子再構成を検討した。Ig (H)遺伝子再構成は,7例中3例に認められた。Ig (H)遺伝子再構成を認めた症例では,認めなかった症例と比べ,CD19, CD20陽性細胞の比率が高かったが,血清IgM値は3 g/dl以下の症例が2例含まれていた。一方,Ig (H)遺伝子再構成を認めなかった症例では,認めた症例に比較し,骨髄B細胞数は少なかったが,逆にIgMは高い値(4例とも3 g/dl以上)を示した。WMの骨髄単核球のIg (H)遺伝子再構成は,IgM値とは相関せず骨髄単核球中のB細胞量との関連が示唆された。