臨床血液
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症例
進行性の末梢および中枢神経障害により死亡したidiopathic plasmacytic lymphadenopathy with polyclonal hyperimmunoglobulinemia
岸本 国也坂田 亨伊東 克郎富永 一則猪野 裕英室橋 郁生陣内 逸郎別所 正美竹内 仁斎藤 昌信平嶋 邦猛
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1997 年 38 巻 2 号 p. 117-123

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抄録

59歳女性。35歳より尋常性乾癬にて当院皮膚科で治療されていた。1993年6月尋常性乾癬の増悪,リンパ節腫脹を認め8月16日精査加療目的にて当科入院となった。入院時頸部,腋窩,鼡径部に1∼3 cm大のリンパ節を認めた。WBC 19,380/μl, RBC 301×104l, Hb 7.2 g/dl, Plt 71×104lであった。またESR 146 mm/1h, CRP 23.6 mg/dl, IgG 2,880 mg/dlと高値を示したが,M蛋白は認めなかった。骨髄は,過形成でmyeloid hyperplasiaを呈しplasma cellは軽度増加していた。血清IL-6は62.1 pg/ml, G-CSFは66 pg/mlと高値であったがIL-1α, IL-1β, TNF-αは正常であった。リンパ節生検によりidiopathic plasmacytic lymphadenopathy with polyclonal hyperimmunoglobulinemia (IPL)と診断し,ステロイド剤等の投与にてリンパ節腫脹,皮疹,CRPの改善を認めた。その後の再燃に対しetretinate, hydroxyurea, MP療法を施行するも,進行性の末梢及び中枢神経障害により死亡の転帰をとった。IPLおよびCastleman病において多発性神経炎および中枢神経障害合併の報告は極めて少なく,貴重な症例と思われる。

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© 1997 一般社団法人 日本血液学会
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