臨床血液
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臨床研究
小児急性骨髄性白血病の治療研究
—小児癌白血病研究グループ(CCLSG) 10年間の治療成績—
鶴沢 正仁片野 直之廣田 貴久三間屋 純一堀越 泰雄川村 尚久楊井 正紀上玉利 彰辻 芳郎藤本 孟男
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1997 年 38 巻 6 号 p. 505-512

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抄録

1984年より1994年の10年間に小児癌白血病研究グループ(CCLSG)の急性骨髄性白血病の治療研究(ANLL-861研究,ANLL-8912研究,ANLL-9205研究,APL-ATRA研究)に登録された小児AML167例の成績を報告した。従来の多剤併用療法を主体にした861/8912治療研究の成績(寛解導入率76/71%, 3年EFS36/30%)と比較して,アンスラサイクリンとAra-C持続静注を主体とした9205治療研究の成績(寛解導入率91%, 3年EFS 58%)は明らかに優れていた。この改善は単球系(M4+M5)白血病に著明に認められた。一方,急性前骨髄性白血病(M3)に対するAPL-ATRA治療群の成績(30カ月EFS 78%)はATRAを用いない861/8912治療群の予後(16カ月EFS 0%)に較べて明らかに優れていた。9205治療研究での化学療法単独群と同種骨髄移植群のレトロスペクテイブな解析では両者の予後に統計学的有意差は認められなかった。

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© 1997 一般社団法人 日本血液学会
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