過去10年間に小児癌・白血病研究グループ(CCLSG)に登録された小児急性骨髄性白血病180例の染色体核型と臨床像,予後との関連を報告した。染色体核型は132例で判明し,このうち100例(75.8%)に異常核型;t(8;21) 35例,t(15;17) 23例,inv(16) 6例,t(11q23;V) 6例,-7/7q- 2例,その他28例を認めた。FAB分類別では,t(8;21)はM2, t(15;17)はM3, inv(16)はM4, t(11q23;V)はM5に特異的であった。M1+M2群では,t(8;21)群(3年EFS 58%)と正常核型群(47%)の間に有意差はなく,その他の核型異常群で有意に予後不良であった(22%) (p<0.05)。t(8;21)群では白血球数やリンパ節腫大が他の2群より有意に少なかった。M4+M5群では,inv(16)群(2年EFS 40%)が正常核型群(25%), t(11q23;V)群(0%)やその他の核型異常群(0%)より予後良好であった。FAB分類と染色体核型により,小児AMLを層別できる可能性が示唆された。