抄録
症例,64歳,男性。89年12月にAML (M2)発症。92年3月,93年10月に再発したがいずれも完全寛解にて退院。94年5月,頚部から前胸部を中心に隆起性の皮疹が出現。末梢血WBC 56,300/μl, 芽球5%認め,AML再々発の診断で入院。皮膚生検にて白血病細胞の浸潤を認め,骨髄穿刺では芽球56%, CD13, CD33陽性,HLD-DR陰性。染色体検査で,以前はすべて正常核型であったがt(12;17)(p13;q11-21)が初めて認められた。BHAC-DMP単独では無効であったが,FISH法にてPML-RARα遺伝子が8%に陽性であったため,ATRAを併用したところ皮膚病変が著明に改善した。RARα遺伝子の存在する17q11.2-21に切断点をもつ染色体異常が存在し,ATRAが部分的に有効であったAML (M2)症例であり,臨床上示唆に富む症例と思われ報告する。