抄録
Aplastic crisisからの回復期に著明な低リン血症をきたした遺伝性球状赤血球症2例を報告する。症例1: 31歳の男性。15歳の頃より黄疸,脾腫を指摘され長男も溶血性貧血である。発熱,リンパ節腫大,黄疸を主訴に入院し,末梢血液像より遺伝性球状赤血球症と診断した。入院後一過性の貧血の増悪を認め臨床経過よりAplastic crisisと診断した。また第2病日の血清リンが0.5 mg/dlと低下したが網状赤血球回復に伴い正常化した。症例2: 29歳の男性:幼少時より一過性の黄疸,脾腫を指摘されていた。症例1と同様に発熱,黄疸,貧血を認めヒトパルボウイルスB19DNA, IgG抗体,IgM抗体が陽性であった。第8病日血清リン1.2 mg/dlと低下したが症例1と同様の経過をたどった。これらの現象は赤芽球過形成の際に血清リンが細胞内に移行したために起こったと考えられた。