抄録
特発性血小板減少性紫斑病(以下ITP)に対するプレドニゾロン(PSL)少量(0.5 mg/kg/日)と常用量(1.0 mg/kg/日)投与法の比較検討を行った。1979年5月から1997年9月までに自治医大血液科においてPSLによる治療を行ったITP 59例のうち,治療後3カ月以上観察可能であった49例について解析した。初回治療として26例にPSL少量,23例にPSL常用量を投与。PSL少量投与群と常用量投与群の完全寛解率はそれぞれ35%/39%(有意差なし)だった。平均入院期間は20日/50日と少量投与群で有意に短かった(p<0.001)。ITPに対するPSL少量投与は,常用量と同様の効果が期待できる上に,入院期間を大きく短縮できる可能性があり,今後検討が必要と考えられる。