2000 年 41 巻 2 号 p. 103-108
骨髄移植後に重篤な肝中心静脈閉塞症(hepatic veno-occlusive disease; VOD)を発症した10例の小児に対してrecombinant human tissue plasminogen activator (rh-tPA)を投与した。rh-tPAを移植後13∼127(中央値22)日目に投与開始した。効果判定可能な9例中7例(78%)でVODは治癒した。副作用として4例に出血をみとめ,2例がそれぞれ肺出血と硬膜下出血のために死亡した。VODに対してrh-tPAは有効な治療法と考えられたが,安全性の確立と投与量の設定にはさらに検討が必要であると思われた。