臨床血液
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臨床研究
急性骨髄性白血病治療におけるクリティカル・パス導入の試み
小松 恒彦清水 敬子
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2001 年 42 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

急性骨髄性白血病(AML)におけるクリティカル・パス(CP)の導入を試みた。まずCP導入前の初発AML10症例を対象に,在院日数を延長させる因子の検討を行った。その結果,感染予防対策の実行率を向上させ,合併症を予防することが重要であることが示された。その結果を基にAMLのCPを作成した。CPは,縦軸に検査,バイタルサイン,化学療法,支持療法,内服,含嗽,処置,食事,安静度,教育指導,データ,アウトカム,バリアンスの項目を設け,横軸には日数・日付を記し,各項目を標準化した。このCPを導入して,新たなに初発AML9例の観察結果,寛解導入療法に要した平均日数は28日,平均在院日数は95日で重篤な合併症は認められなかった。CP導入により,在院日数の短縮,医療コストの削減,QOLの向上,チーム医療の促進,患者満足度の向上が可能であると考えられた。

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© 2001 一般社団法人 日本血液学会
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